2008年01月31日

ゲンかつぎ

アメリカン・フットボールNFLのペイトリオッツは、いよいよ2月3日にスーパーボール(SB)。勝てると思うが、油断は禁物だ。相手のNYジャイアンツは、ワイルド・カードからのし上がって来た、若い勢いのあるチーム。相手のオフェンス、ディフェンスともに体でかくて強力なのだ。

SBは、相手としてQBフォーブのいるグリーンベイ・パッカーズに来てほしかった。もうかなりの高齢のフォーヴ、SBでペイトリオッツと好試合をして、(そしてできればペイトリオッツが勝って)引退の花道を飾って欲しかった。

昨日、アメリカから友人が電話かけてきた。彼は、オレと同じく大リーグのレッドソックスとNFLのペイトリオッツのファンであるが、大リーグのNYヤンキースを嫌悪している(NYヤンキース・スタジアムのど真ん中で、「ヤンキース、サック」とわめく、命知らず)。で、電話口で
「これは神様がセッティングしてくれたカードだね。わがペイトリオッツが、大嫌いなニューヨークをやっつけてくれるのだ」
と興奮して言った。ボストンとニューヨークの因縁は、それほど深いのだ。

「ゲンかつぎ」に、ペイトリオッツが6年前にSB優勝した時のTシャツを着たいが、汚すといけないから、土曜まで着ない。まったく、困ったものである。人のことなんか言えない。
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2008年01月25日

パリにユニクロがオープン

パリの西、デファンス地区に行ったついでに、最近オープンしたという日本の会社「ユニクロ」を覗いてみた。アメリカのモールのようなショッピング・センターの一角にある。

 他の店と同じように店舗面積が大きくないからか、全体にこじんまりした感じだ。が、壁の上、天井際までを棚にして大いに有効活用している。パリの雰囲気に合わせたのか、派手な色の衣類が並び、華やかに見える。

いま、フランスでは「バーゲン・セール」の時期だが(法律で決まっているのだ)、どこにも「バーゲン」のバの字も見えない。ちぇ、バーゲンだったらなんか買おうかと思ったが。うーむ、ユニクロ、あなどり難し……。

 ジーパンを見てみたら、一番安くても、1本39ユーロとある。日本だったらせいぜい5000円だから、ユニクロさん、エエ商売してまんなあ〜。

(後記:ユニクロの名誉のためにいうと、他のブランドショップではジーパンは50〜70ユーロは普通である。)
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2008年01月22日

ペイトリオッツのコーチ、ベリチェックの力量(下)自信

 「シブイ勝ち方」、それはコーチングの哲学の違いというより、頭抜けた攻撃陣(たとえばワイド・レシーバーWR)がいないためだったと言うべきだと思う。ペイトリオッツには、コルツなどのように華々しい長距離パスでのタッチダウンを毎回決める“武器”がなく、攻撃の選択肢が限られていたと思う。それは、QBの力が足りなかったのではなく、そのためのWRがいなかったのだ。

 おうおうにして、NFLのシーズン中の話題といえば、優れたWRがいてタッチダウンをバンバン決める華やかなチームが取り上げられたものだった(いまもそうだが)。地味な選手しかいないにもかかわらず、ペイトリオッツは過去3度もSBで優勝してきた。それは、明らかにヘッド・コーチ、ベリチェックの力量といえる。

 その発想には驚くべきものさえある。たとえば、ディフェンスの優れた選手を攻撃に使ったり、ディフェンス・ラインの選手をどこでも守れるようにしてローテーションを組ませたり(分業が普通)、ディフェンスの選手CBがケガで使えないとみるや一年前までオフェンスのWRだった選手を使うなどという奇策、こうしたことも見事にやり遂げてしまうという。つまり選手の潜在能力を見つけ出すのに優れているのだ。それほど、かれはフットボールを知っている優れたコーチということなのだと思う。以前にも書いたが。
アメリカからのニュース (1)
http://dokugo.seesaa.net/article/1812667.html 
アメリカからのニュース (2)
http://dokugo.seesaa.net/article/1812668.html 

(もちろん、ペイトリオッツが優勝してきたのは、チームに頼れる「確実な力量の選手」がいたということ。多くの守備選手がそうだったし、SB優勝のヒーローになったキッカー・ベネティエリがそうだった。そして、QBブレディーは、おそらく歴史的に観てもトップの優れたQBだと思う。ただ、彼の場合も、派手なWRがいなかったせいでタッチダウンが多くなく、たとえばライバルのコルツのQBマニングほど評価されなかった。それが今年は「正当な評価」を受けたというわけだ。今年、チャージャーズのQBが、ペイトリオッツに破れた直後に似たようなことを言っていた。)

 最近、ベリチェックが記者会見する時は、記者の側にベリチェックに対する敬意が表れているのが、記者の言葉のはしばしに、空気に感じられる。以前は、こんな風ではなかった。オレは、十数年前、ペイトリオッツが弱小“NFLのお荷物”といわれた頃からペイトリオッツを見てるが(当然、まるでやる気がなかった前のオーナーから、今のクラフト・オーナーへも代わった時も)、ベリチェックがコーチに就任した直後、その静かな話し振りを「かれは、あまりに自信がなさ過ぎる」と批判していた新聞記者がいたのだった。

 あまりにクダラナイ批判だが、あれはたしかボストン・グローブのスポーツ記者だった。最近、シーズン中、ある対戦チームの選手が、試合前に全勝中のペイトリオッツを破るとさも自信ありげに公言し、その“口”が災いしてか、そのチームがペイトリオッツにコテンパンに叩きのめされた。その試合後の記者会見で、ベリチェックは、(例の静かな調子で)
   「自信なんて相対的なものだ。あてにはならない。
   その時のまわりの状況でどのようにも評価される」

というようなことを言った。この発言を思い出すたび、あのボストン・グローブの記者はいまごろどうベリチェックを評価しているだろうか、と考えるのだ。まあ、その後もいろいろ物議をかもすような、くだらないバカな発言をしていたから、今もって治ってはいないだろうが。

 自信なんて相対的なものだ、「自信の評価」は後からついてくる、静かな男ベリチェックを見るたびにそう思う。
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2008年01月21日

ペイトリオッツのコーチ、ベリチェックの力量(上)

 昨夜は、プレーオフの続き、ペイトリオッツ対サンディゴ・チャージャーズ戦。ペイトリオッツの選手は、皆、ちょっとおかしかった(体調が?)。特に、QBブレイディがインターセプションを3つもくらっては、苦戦する。しかし、ここぞという時に決めて勝てるのが、いまのペイトリオッツ。

 試合の内容については言いたいことがたくさんあるが、オレがこんなところで書いても、まあ素人のタワゴトなので、こうして公開する意味もあまりなかろう。いよいよスーパーボール。2週間後の2月3日だ。

 13日の日記に書いたように、ペイトリオッツは今シーズン全勝を飾ったわけだが、その「レギュラーシーズン全勝」以外にも、その時に達成した一連の「記録」がスゴイ。ざっと抜き出しても、こんなかんじ。下に、NFLのホームページからの引用をつけて列挙する。
1シーズン得点NFL新記録589得点で、平均36.81点は歴代2位。(The Patriots finished the game with a total of 589 points for an average of 36.81 points per game. New England's 36.81 points per game rank second in league history, trailing only the 38.83 points per game scored by the 1950 Los Angeles Rams (466 points in a 12-game season).)

レギュラー・シーズン連勝新記録
19試合は、自身が2003年10月から2004年10月になした18試合を更新。(The Patriots have won their 19th consecutive regular season game, establishing a new NFL record for consecutive regular-season wins. New England has topped the previous record of 18 straight regular-season victories, which the Patriots achieved from Oct. 5, 2003 to Oct. 24, 2004.)

WRランディー・モス、1シーズン、タッチダウン数新記録
23個は、それまでの伝説的WRジェリー・ライスの記録22個を更新。(With his 65-yard touchdown reception in the second quarter - his 23rd scoring catch of the year - Randy Moss set a new NFL single-season touchdown reception record. He finished the 2007 regular season with 23 touchdown catches. Moss passed the previous record of 22 touchdown receptions, set by San Francisco's Jerry Rice in 1987.)

QBトム・ブレディー、レギュラー・シーズン中のタッチダウン・パス数新記録
50個は、2004年にペイトン・マニングが記録した49個を更新。(On a 65-yard scoring pass to Randy Moss in the fourth quarter - his 50th touchdown pass of the season - Tom Brady set a new NFL single-season touchdown pass record. He finished the 2007 regular season with a total of 50 touchdown passes. Brady eclipsed the previous record of 49 scoring passes in a season, set by Indianapolis's Peyton Manning in 2004. Earlier in the game, Brady tied Manning's mark on a 4-yard scoring pass to Moss.)

QBトム・ブレディー、1シーズン中のパス・ヤード、チーム新記録
4806ヤードは、前のQBブレッドソーが記録した4555ヤードを大幅に更新。(On an 8-yard completion to Kevin Faulk in the second quarter, Tom Brady set a new Patriots franchise record for most passing yards in a season. Following his completion to Faulk, Brady had 4,557 passing yards on the year, passing Drew Bledsoe's old mark of 4,555 passing yards, achieved in 1994. Brady finished the 2007 regular season with 4,806 passing yards.)

WRウェス・ウェルカー、1シーズン中のパス・キャッチ、チーム新記録
縁の下の力持ち、ウェルカーの勲章ともいえる記録。102個は、2001年にトロイ・ブラウンが記録した101個を更新。(On a 14-yard reception in the first quarter - his first catch of the game and his 102nd catch of the season - Wes Welker set the Patriots' single-season receptions record, passing Troy Brown's mark of 101 receptions in 2001.)

 好調のチームはおうおうにして記録ラッシュになるものだが、こういう新記録が生まれるところが、今年のペイトリオッツの違いを物語っている。以前は、スーパーボール(SB)優勝をするようなチームであっても、勝ち方も地味で、スーパーボールの優勝も残り5秒や10秒で決めるというシブイ勝ち方だった。
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2008年01月20日

「華のフランス」に苦々しい思い

 数回前のエントリーに書いた、無責任なフランスの店員について補足。
フランスの専門店のレベル

 前に書いたように、かなりの確率で、フランスの店員はきわめて無責任である。何も知らないなら、まだ我慢できる。それだけじゃなく、知らないくせに実にテキトーなことを教えたりするのだ。その上、自分のおかした失敗を隠そうと、時にありえないムチャクチャな説明や行動をすることさえある。

 こういう例は無数にある。読者の理解のためというより自分の気が晴れるためにも書きたいが、書いていると血圧が上がって仕方がないからやめる。言いたかったのは、次のことだ。

 フランスに多く見られるこの無責任と身勝手を、「おもしろい」とか「さすがフランス人」と面白がっている日本人をときどき見るが、それは本当の実害にあったことがない人か、“一生眼に星を輝かしている人”である。実際、そういう目にあって大変な苦労をした人たちを見てきているのだ。

 ついでに言うと、フランスの暗い面に目を向けず、フランスの全面的に楽しい面ばかり語っている“社会から隔離されて生きている人”やお姫様的お嬢様やお殿様的お坊ちゃまを見ると、ため息が出る。そんなブログがあちこちに。個人的な日記にひとりで書いているならかまわないが、ウェブ上に公開していれば、フランスの誤解や思い込みを生むことさえあるだろうに。(こういう人は街で差別を見たことさえないのか?さまざまな問題を読んだことさえないのか?)
 政治と社会は別物です、なんてのんきなこと考えてるんだろうか――フランスというこれほど“政治的な国”に来てさえも。
 ニガニガしい思いでいる。
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2008年01月13日

ペイトリオッツ、シーズン全勝の快挙(遅ればせながら)

 アメリカン・フットボールNFLのニューイングランド・ペイトリオッツは、大方の予想どおりプレーオフに進んだのだが、昨日、その最初の試合、対ジャガーズ戦があった。

 全体で見れば実に危なげない試合で、いってみれば楽勝。ただ、前半はハラハラした(14−14の同点)。相手のオフェンスが良かったのだ。が、それは、ディフェンスでCBに怪我のホブスの代わりに急きょ入ったランドール・ゲイが狙い撃ちされて、パスをバシバシ通されたせい。後半からは、修正したディフェンスがちゃんと機能して、フィールド・ゴール2本だけに抑えた。

 むしろ、特筆すべきは、2週間前にあったNYジャイアンツ戦だ。この試合で、ペイトリオッツは、ついに史上初のレギュラーシーズン全勝(16連勝)を成し遂げたのだ。これまでは、1972年にマイアミ・ドルフィンズが全勝したのが最後だった。しかし、その時はレギュラー・シーズンが14試合。1978年にレギュラー・シーズン16試合制になってからは初めてである(というか16−0の方がスゴイ)。ドルフィンズはその後プレーオフでも勝ち進んで、スーパーボールを制したが(その結果、17戦全勝)。

 この同時のドルフィンズのメンバーは、聞くところによると、毎年、レギュラー・シーズンの「全勝チーム」が試合で負けるとお祝いにシャンペンを開けてきたそうな。それだけでも、彼らのケツの穴の懐の小ささ、根性の悪さが分るが、さらに、ペイトリオッツのこの連勝街道が「16」に近づくに連れて、彼らがメディアにしていたコメントは、かなり嫌みったらしく、スポーツマンシップに欠けるものだった。調べた限りでは、最も良かったものでも、せいぜいが、最後の全勝がかかった試合の前に「ペイトリオッツに(全勝するのに)幸運をとは言わないが、悪運をとも思わない。誰かに悪運を望むなんてできるかね」(Larry Csonka)というものだった。あなたたち、敬意というものがないのですな。

 この全勝がかかった試合、結局、ジャイアンツも全力を尽くしたみごとな試合で、38−35の僅差で勝利。しかも、QBブレイディは年間最多TDパス新記録を、WRモスも年間最多TDレセプションの新記録を樹立というすばらしいオマケつき。

 試合後、ディフェンスの中心選手ブルースキがTV放送クルーに呼ばれ、インタビューされた。そこで、例のマイアミ・ドルフィンズの試合後のコメントが紹介された。「エキシビションは終わった。さあ、これからが本番の試合だ」。自分たちがスーパーボールを制したことを言いたいんだろうが、これもかなりケツの穴の小さいコメントである。

 が、それを聞いたブルースキのコメントに度肝を抜かれた。「あなたたちのいう通り。まったくそのとおり。本番はこれからです」と応えたのだ。すげー、ブルースキ。人間ができてるなあ、ブルースキ。オレだったら、皮肉のひと言でもいうところだ。こういうメンタリティーを持った選手が、ペイトリオッツを支えてるんだなあ。
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2008年01月08日

ブット元首相暗殺と「カミカゼ」

 先月の27日、パキスタンの首都イスラマバード近郊のラワルピンディで支持者らの集会に参加したブット元首相が暗殺された事件は、フランスでも大々的に報道された。その後も、容疑者や犯人についての報道が続いた。パキスタン大統領が「ブット元首相暗殺は本人の責任」と述べるなど、現政権の責任逃れともいえる発言も報道されている。

 この事件が起きた時、ここフランスのテレビは「カミカゼ」という表現を使った。さかんに使われ、手に負えないテロという風に聞こえる。「カミカゼ」という言葉はこれだけでなく、中東の“自爆テロ”の時にもほとんどいつも用いられる。日本人としてちょっと落ちつかくなる言葉ではある。もちろん、聞いた人でそれが日本語であることを知っているフランス人が何人いるか知らないけど。

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2008年01月06日

フランスの専門店のレベル

 この年末から新年の一週間は、家のものの修繕に追われた。まず、またトイレの給水システムがダメになり(これで何度目か分らない、しばらく大丈夫かと思ったら、よりによって年末にやってきた)、それと前後して、ライト・スタンドが3本ダメになった。

 ライト・スタンドの原因は、結論をいうとすべて「ヒューズ」であった。日本で、いやアメリカでも、電気製品のヒューズがとんだことなんてなかった。まったく信じられない国だが、電圧が日本の倍と、高いことが原因ではなかろうか。

 いや、製品そのものが粗悪なこともあろう。以前、新しく買った「電球2個そろえ」の2個ともダメだったことがある。大雑把なアメリカでも、そこまでヒドイ経験はしたことがない。この国に「クオリティーコントロール」なぞを期待してはいかんのです。

 必要部品を買おうと、街のとある電気部品用品店に行った時のことだ。2.5アンペアの「ヒューズ」を探していた。ダメになったヒューズそのものを持っていって売り場のオジサンに訊くと、あっちにあるから自分で探せという。といいながら、フランス女性のお願いには丁寧に返事をしているのである。フランスの店員は万事こんなぐあいだからもう腹も立たないが、彼らの「専門家性」に大いに疑問をいだくのもこういう瞬間なのである。

 売り場に2.5アンペアの「ヒューズ」はなかった。1アンペア、1.3アンペア、1.5アンペア、2アンペアなどと細分しているくせに、2.5アンペアがないのだ。どうすべきか訊くと、
   「なら2アンペアだな」
と言う。

 フランスでものを探して買うときの鉄則は、
   一人に訊いてもあきらめるな(安心するな)
である。ある店員に「そんなのない」と言われても、おずおずと引き下がってはいけない。別の売り場、時にはすぐ近くに、探しているものが見つかることがあるのである。おうおうにして、フランスの店員は、きわめて無責任なのだ。

 さて、その鉄則は、ときに
   一ヶ所の店に訊いてもあきらめるな(安心するな)
と拡張される。そこで、オレは、もう一つの巨大日曜大工店に行ってみたのだ。

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2008年01月02日

新年をとりまくニュース(下)

 年が明けて、新年のニュースで目に付いたものは、まず、サルコジ大統領の「年頭の挨拶」。「庶民の新聞」フィガロ紙は、非常に好意的に紹介しているようだ。
Nicolas Sarkozy veut réformer sans «brutalité»
http://www.lefigaro.fr/politique/2008/01/01/01002-20080101ARTFIG00003-nicolas-sarkozy-veut-reformer-sans-brutalite-.php

 このタイトル、「サルコジは急激な変化なしの改革を望む」ということなんだが、「brutalité」には「乱暴」「荒々しさ」という意味があるから、国民が受け入れられる改革を模索するということを含むんだろう。
参考:Une certaine idée de la France
http://www.lefigaro.fr/debats/2008/01/01/01005-20080101ARTFIG00013-une-certaine-idee-de-la-france.php

 記事には、「すべては一日にして解決しない」と国民の寛容さを求め、対話と交渉にもとづく方法を重視して、「政府の方法として乱暴なやりかたはよくないと思う」と述べた、とある。そして、「21世紀の都市を打建て」、また「政策の中心に、統合(intégration、この語には「同化」という意味もある)と多様性(diversité )と正義への配慮をおくこと」を、その「文明政策(politique de civilisation)」の目指すところとする、と表明。

 この最後のひと言、「統合と多様性(と正義)への配慮」というのは、フランスをはじめヨーロッパ全体の政策的課題になっている「世俗主義(ライシテ)の原理」を念頭においているのだろうと思う。この「世俗主義」、最近では、フランスでモスリムの「スカーフ問題」を引き起こしている。「世俗主義」と訳したのではなかなか分らないこの考え、日本では「政教分離」などという形で引用されるが、首相が、靖国神社参拝の後、「私人として訪問した」と言ってのけてシャーシャーとしてられるようなのに比べると、はるかに守備範囲の広い、奥の深い問題であると思う。それについては、また回を改めて書こう。

 フランスでは1月1日から、レストランやカフェなど飲食店では原則禁煙になる。違反者や喫煙を許す飲食店には罰金も科される。これは、飲食店「内」に適用されるから、いまだに喫煙者が多いパリでは、レストランやカフェでは、テラスをあくまで「外の空間」にしたまま覆う工事や、「外」の暖房としてのヒーターの生産が多くなった、と報じていた。
 他に飲み食いしている客がいようといまいと、吸いたい時に吸うのがフランス人。これは、かなりの打撃のはずだが、店にとっても大打撃なのだ。12月31日深夜の「最後の店内の一服」を「どうどうと楽しもう」という客のレポートも。

 今年までは、店内の「分煙」はあったことはあったが、たいていすぐ隣り合わせで、「分煙」の意味もないようなところも多かったのだ。それとこちらで驚いたのは、妊婦でどうどうと吸う人がいたり、赤ん坊を片手で引きながら、もう一方の手でタバコを持つ人がけっこういること。「タバコ」に関する寛容さはそんな形でも現れている。

 他には、マルタとキプロスの両国が、この新年からEUに加盟したニュース。マルタとキプロスでは、それを大々的に祝う模様と、政治家の希望にみちた顔が映し出されたが、もちろん、そんな甘い話でもなさそうだ。
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2008年01月01日

新年をとりまくニュース(上)

あけましておめでとうございます
本年も、よろしくお願い申しあげます

 フランスの新年をまさに時間的に「とりまく」ニュース。年末年始のニュースをまとめると、年末は明るいニュースばかりではなかったね。というか、こっちのメディアは、こうした時期だからこそ「社会の暗い面」となる出来事を取り上げるような気がするな。たとえば、ホームレスがパリの一部の地区を占拠してテント暮らしを続けているが、それを取り上げたりする。日本では、「歳の瀬」に、たとえば上野のホームレスの問題は取り上げないどころか、あえて避けるのではなかろうか。

 まず年末のニュースから。これは暗ーい話なので、「この世のそういうものには触れずに、スマートに“きれいに”生きて行きたい」というお方は、読み飛ばすべし。(まあ、そんなお方は、そもそもこのブログを読みに来ないと思うが。)

 フランスの北、カレーという町はロダンの『カレーの市民』という彫刻で有名だが、そこはイギリスと海峡を挟んで目と鼻の先であるため、「移民センター」のようなものがあるのだな。よく調べていないのだが、それは、フランスからイギリスに、あるいはイギリスからフランスへの、違法移民の人たちを収容するところらしい。映画や小説にもなっているが、職と生活を求めて移住しようとするトルコ人やアフガニスタン人などは、遠距離トラックに隠れて、海峡を渡ろうとする。それで失敗した場合もふくめて、このセンターに留め置かれるのであるらしい。
 最初のニュースは、そのセンターにいる人々、あるいは、今はセンターにいるがすぐにも出て行こうとする人たちの状況を報告していた。それはほとんどが若い、いや、疲労と栄養失調とストレスのために老いて見えるティーンエージャーであった。彼らに共通するのは、どこかでなんとか生きていこうとする意志、いや「意志」などとエラソーなことをいえる立場ではないが、なにかそんな風な強烈な“生命力”であるように思う。生まれるところと親は選べない、そういういかんともしがたい「人生のハンディ」を考えると、これはまさに尊敬に値すると思うのだ。

 12月28日には、アフリカのチャドで子ども103人をフランスへ連れ去ろうとして捕まり懲役8年の刑を受けた、例の「ゾーイの箱舟」のメンバーフランス人6人が、仏政府の働きかけで本国に送還された。
その翌々日くらいには、彼らがフランスで刑に服する刑務所に訪れた家族のインタビューなどを。

 その前日には、モーリタニアでフランス人家族の4人が殺害されたニュース。ル・モンド紙によれば、家族は道路近くに車を止め、ピクニックをしていた最中に襲われたという。フィガロ紙によれば、父親は脚に銃弾を受けて重傷で、サルコジ大統領はモーリタニア大統領に電話で詳しい情報を得ると述べた。

 日本の年末の出来事も、ちょっと紹介していた。大阪(らしい)での「干支の引き継ぎ」儀式のようなもの。おおぎょうな衣装をつけられたイノシシと、これまた衣装を着けたネズミが抱かれて登場。「引き継ぎ」でネズミを抱いたおじさんが、(ネズミの代わりに)新年の抱負みたいなものを言う。ニュースでは「オリンピックでは多くの金メダルをとりたい」とかなんとか言っていた。
 ニュース最後のコメントが、またフランスらしい。ネズミの特徴と性格を説明して「賢く、カワユいが、自己中心的でちょっとズルイところも」と、チクリ。こういうところがフランス的か。まあ、確かに、オリンピックのメダルうんぬんは世界的な視野から見れば……と言うようなことではある。
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