2008年03月27日

壁が気になる

壁が気になる。

隣の工事は、あかわらずものすごい音だ。トイレの壁も、フロの壁も、穴が空くんじゃないか、と思うような振動だ。

こいつらフランス人、他人のことなんか気にかけない国民である。
ぜーったい、こっちの壁も壊すぞ、と暇があれば、カメラ片手に、トイレとバスルームの壁をチェック。
かんじんの証拠を大家に示さねば。鼻息も荒い。

おおっ! どうやら、すでに廊下の壁に、ほそーくヒビが入ったようだ。シメシメ……写真を……。
って、なにを喜んでおるのか?
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2008年03月26日

中国オリンピックとIOCの罪

 中国はオリンピックをやれる国なのか?

 この夏の北京オリンピックをめぐる、いやはっきり言って、この国で国際競技を開くことに疑義の声をあげる報道がさかんである。

 世界記録を出しているマラソンランナーが、空気汚染の激しい北京で走れば持病の喘息にマイナスにしかならないと参加を取り止めたり、スーダン・ダルフール問題を中国政府が悪化させていると米映画監督スピルバーグ氏が北京五輪の開閉会式の芸術顧問を辞退したり、ギリシアでの五輪聖火採火式の最中に「中国のチベット弾圧」に抗議する者が阻止しようとしたり、同じく弾圧問題で、フランスが北京五輪の開会式ボイコットを「考慮し」たり(サルコジにしちゃあ、なかなかやる)……と、ニュースを引用するのも煩瑣なくらいいろいろな出来事がたて続けに起こっている。

 わたしは、特に、中国の人権・環境問題と、その「食」製品に関する最近の問題だけでも、中国がオリンピックをやるのは20年早いと思っている。いくら持ち回りといえ、こんな状態の中国にオリンピックを託した国際オリンピック協会IOCの罪は、とても重いと思う。中国の人権問題や環境問題が数年でカタがつくと、IOCは本当に信じたのだろうか?(IOCが公正な視点を持たない困った「貴族」の集まりだというのは、前のサマランチ会長の時にも、大いに指摘されたものだが。)

 しかし、ものは考えようで、この時期に中国にオリンピックを許したのは、もしかしたらかえって良かったのかもしれないとも(アタマの四分の一くらいで)思い始めている。オリンピックくらいの口実がなければ、この中国が、人権・環境などのこの国を覆い尽くした暗く根深い問題を解決する気なんかには、決してならないだろうとも思うからだ

 ただ、毎日ニュースを見るにつけ、それも否定された気分になる。IOCは、このまま行けば、これらの問題に頬かむりしたまま、つまり真正面から対決することはなく(彼らにそんなことができるならば、最初からしているだろう)、なんとか開催しようとするだろう。IOCの「金持ち貴族」たちに政治的解決のイニシアティブをとる気なんてないと思う。(「このまま行けば」と書いたが、望みは、多くの国のボイコットや、さらに上の国際機関からの圧力であろう。)
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2008年03月25日

リノベーションの国

 前週の金曜日、前の晩に夜更かしして、やや朝寝坊していたら、アパート中に響きわたるようなものすごい音にたたき起こされた。朝の8時半前である。

 なにかと思ったら、上のアパートを工事しているらしい――。法律では、朝の8時半からなら作業して良いと定められている。

 いや待て。上は先日やっと終わったはず。と、耳を澄ませてみると、どうやら隣である。こちらのバスルームとトイレの間(あいだには廊下の壁)にあちらの壁かクローゼットがあるらしく、その壁を剥がしているかなんかしているのだろうが、重機でも使ってるんじゃないかというようなすごい音である。
バスルームとトイレの壁が、振動、いや激震している。

 こりゃ、かなわん。またあの工事の騒音で一日中悩まされるのか。このアパート、引っ越してきたその冬から外壁の工事で騒音で悩まされた。工事は6月末までのはずだったが、けっきょく10月までかかった(ああフランス人!)。夏は、このアパートで「売り」のはずのベランダが使えなかったのである。

 それが終わると、すぐ上の階で、リノベーションしているらしき工事の音が一日中響いていた。床どころか家具も換えるようなリノベーションらしく、かなり長いあいだ悩まされた。ちょうど、徹夜が続くような仕事を抱えていたので、これは堪えた。ちょっとでも夜更かしすると、睡眠の質に効いてきて、疲労が重なるのであった――。

 まったく、この国は、始終リノベーションをしている。服と同じで自分の気に入らないものはどんどん変えるのだ。噂では、女性の洋服なんか、どんなブランド物でも、自分に似合うように自らバッサリ切ってしまうんだそうだ。

 その金曜の隣の工事、なぜか午後にはぱたりと止んでしまった。週末が復活祭の休みなので。半日早い休みを取ったらしい。さすがフランス!!

 そして、もちろん工事は今週も続いている。朝の8時半前にゴソゴソ準備をする音が聞こえていて、8時半になると、ものすごい音で作業を始める。そして、ちゃーんと、夕方5時にはいなくなってしまうんですがね
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2008年03月17日

最後の第1次大戦フランス軍軍人の国葬

 夕方、テレビをつけたら、サルコジがスピーチしているところが映っていた。どうやら場所は、パリ市内のアンヴァリッドのようだ。その前に整列している人々の中には、軍人の制服らしきものを着た人が含まれているので、すぐ、数日前に亡くなった、第1次世界大戦でフランス軍として戦った最後の軍人のための式だなと気がついた。

 この方、もともとイタリア人だったが、フランスのために戦ったのだそうな。下は、共同ニュースから。
フランス大統領府は12日、第1次世界大戦でフランス軍に加わった最後の退役軍人が110歳で死去したと発表した。ドイツでも1月に同大戦を生き残った最後の軍人が死去しており、20世紀初頭の欧州で戦火を交えた両国から歴史の生き証人が相次いで姿を消した。

12日に死去したのはラザール・ポンティチェリ氏。サルコジ大統領は声明で「国民とともに深い悲しみを感じている」と表明。「(ポンティチェリ氏は)イタリアで生まれた後、パリへ来てフランス人になることを選択し、第2の故国を守るために外国人部隊に入隊した」と同氏の生い立ちをたどった。
フランス政府は、第1次大戦のために動員されたすべてのフランス人に哀悼の意を示す式典を数日中に開く予定。事実上、ポンティチェリ氏の“国葬”となりそうだ。(共同)

 TF1局と3チャンネル、そしてカナル・プリュス局で中継していたが、式が終わると、TF1局では、すぐ(あらかじめ選んでおいたらしき)小学生の子どもにインタビューし、「今日のこの体験を、クラスメートにどう伝える?」。この国フランスのヒーローを誇りにしよう風の“絵造り”がアリアリ。実際の事情は、もっと複雑だろうに。

 どうも、サルコジの息のかかったテレビは、フランス人がやるにしては、少々幼稚だと思う。
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2008年03月16日

片手にバゲット、片手にオリーブの枝

 朝から雨が降りそうな日曜、片手に緑の小枝を持って街を行く人々を目にした。スーパーの前で、ちいさな子どもが幾ばくかの小銭と交換に渡している場面も見かけた。

 緑の小枝はオリーブの枝。復活祭(フランス語でPaques、英語でEaster)の一週間前の日曜日を、「Le dimanche des Rameaux あるいは les Rameaux(枝の主日)」(英語では「Palm Sunday」)とよび、イエス・キリストがロバに跨り、エルサレムに入城したことを記念する。「受難の主日」とも言われる。ヨハネ福音書によれば、エルサレムに来たイエスを、群衆はなつめやしの枝を手に迎えたそうな。四旬節の中の重要な一日である。

(追記:この日から「聖週間」が始まる。木曜日は「聖木曜日」と呼ばれ、最後の晩餐を記念する。金曜日は「聖金曜日」。土曜日は「聖土曜日」と呼ばれ、その深夜に「復活徹夜祭」が行われて四旬節が終わり、「復活祭」が来る。しかし、フランス一般人は、この「聖週間」は厳密には守らないように思う。それとも、この期間中、肉、卵、乳製品の摂取は控え、一日一度しか十分な食事をとらないという、厳格な中世の断食習慣を行っている人はいるのだろうか。ちゃんと観察しておくんだった!)

 それにちなみ、地域によってはシュロの枝を用いて祝うそうだ。フランスは、主にオリーブらしい(厳密にはどうなのか知らない)。艶やかなマフラーで着飾った長い髪のパリジェンヌが、片手にバゲット、もう片手にオリーブの枝を持っているところなんて、映画か古典絵画から抜け出してきたようだった。

 こういう風習をなにげなく繰り返し、それを尊重している街は、良いものだと思う。
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2008年03月15日

黒川能

 今週、日本の伝統芸能「黒川能」の公演をするというのをほんとに偶然、耳にした。これは、山形県鶴岡市に500年の伝承を経て、能の古来の姿をそのままに伝える古典芸能で、国から重要無形民俗文化財の指定を受けている。

 こんなもの、日本だったら、コネか運がなければ見ることはできない。海外に住んでいる特権は、ときに、こんな形で現れる。と、あわててチケットを予約しようとしたが、水曜日から金曜日までのどの公演もほとんどすべて売れきれ。フランス人、パリ人の海外文化に対する関心は驚くほどだ(アメリカ人とエライ違い)。パリの巷の「Zen禅」文化の流行などを見ると、どのくらい正確に理解しているか怪しいものだけれど……。

 やっととれたチケットが、最終日の金曜日。行ってみると、出し物は『紅葉狩り』。能舞台は、ふだんのステージの上に、板を敷いて小さな舞台を作ったが、橋掛かりのスペースがないため、1メートルほどの形ばかりの「橋掛かり」をくっつけた、という代物。本来、橋掛かりでする所作を、橋掛かりの内側でやらざるを得なかったようだ。柱はなく、柱がある場所には「黒川能」と黒く書かかれた大きな白いろうそくが立っているだけだが、これは黒川能の本来の舞台もそうかどうかは分らない。本来は、薪を焚いて演じるそうだが。

 会場は満員。言葉はもちろん日本語だから、舞台の両側の幕に2メートル四方のスクリーンを下げて、そこにフランス語訳を映し出す。科白の日本語を聞くかぎりあまり面白くもないはずだが、近くにいたインテリ風の男性がしきりにクスクス言っていた。なにかフランス人のツボにはまるものがあったのか。そういえば、司会者はこの「能」を「la comedie de No」と紹介していた。「comedie」は「演劇、芝居」という意味だと思うが、「喜劇」という意味もある。先入観を植え付けてしまったんでは。

 一時間ほどの公演のあとに、黒川能の座(下座)の代表の方を交えて、質疑応答があった。フランス人から、かなり熱心な質問があった。質問の途中で雰囲気を無視してドタドタと音をたてて出て行く者がかなりいたのも、フランス人の観客らしかった。

 いっしょに観に行った美女は、隣で寝てしまった(軽い鼾をかいて寝られると、さすがに気が散る)。よほど疲れていたんだろう。『紅葉狩り』の登場人物の平維茂と同様、妖女たちの魔力にかかり夢に落ちてしまったようだ。
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2008年03月14日

ハードディスク残り、風前のともしび

 わたしはかなりデジカメ写真を撮る。それを、コンピューターにどんどんダウンロードしていたら、ついにハードディスクのメモリーがほとんどなくなってしまった。

 これはイカンと、まず外付けハードディスクを手に入れてすべてバックアップを取った。次に、画像縮小ソフトをネットからダウンロードした。そして、順に、これぞと思う写真フォルダー(内容によって分類してある)内の写真を、縮小ソフトで小さくして、しかる後に、縮小し終わった元の画像を捨てる。元のデジカメ画像が一枚2メガとか1.8メガとかであるので、これはかなりの“掃除”になる。

 ……はずであった。いっきに100メガ掃除しハードディスクの空きが増えるのを見て、悦に入って、あちこち掃除を続けてルンルン気分(死語か)であったが――

 すぐ直後には、その減ったはずの分がなくなって、ハードディスクはもと以上にへってしまうのである。なぜだろう? インターネット開けながらやってるので、キャッシュその他が記録されてしまう可能性もあるが、そう考えるのにはあまりに量が多すぎる。

 どうなってんだ?
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2008年03月13日

フランス失業者と市町議会議員選挙の結果

パリの日本語フリー紙『OVNI』(3月15日版)より

7.8%
2007年の10月、11月、12月は失業者が大幅に減り、2007年度末の失業率は7.8%に。海外県を除くと7.5%になり、1983年以来の低い率。2007年度は、34万人が新たに職を得たことになる。市町議会議員選挙を控えた右派政権にとってはうれしい数字だったが、全国雇用局(ANPE)によると、1月になって、その傾向は逆転し、前月比0.7%増。失業者総数は現在約191万人。
(ひと言:それでも高いと思うが。しかも、移民系住民のあいだでは、8%ではすまないはず。)

市町議会議員選挙の結果
3月9日に行われた市町議会議員選挙では、フランス全国の投票率は、左派が47.5%、右派が40%と、サルコジ大統領への批判票か、左派が伸びた。パリ市ではドラノエ現市長の再選がほぼ確実となり、マルセイユ、ストラスブール、トゥールーズなどの各市でも、これまでの右派の市長に代わって、左派の候補者が第2回投票で当選しそうな勢いだ。
18の小郡cantonで改選が行われた県議会議員選挙第1回投票でも左派が優勢だ。
シラク前大統領の選挙基盤コレーズ県ではオランド社会党第一書記が当選を決め、同県が左派県政になる可能性が高い。ソーヌ・エ・ロワール県でもアルノー・モントブール氏(社会党)が右派からモントレ小郡を奪った。

2.6%
2007年もフランス全国の家賃は平均2.6%値上がりしたが、2006年の3.4%、2005年の5.1%、2004年の5.8%に比べると上昇率が緩やかになってきている。この傾向は2008年も続き、2%前後に落ち着きそう。一番高いのは、イル・ド・フランス地方で1平米当たり17.2€、その中でもパリは平均21€。パリでは5区が一番高く26.7€、次いで6区が25€、1区が24.6€、7区23.1€。一番安いのは19区で17.7€。一番安い地方はフランシュ・コンテで6.8€。
(5区が一番高いのは意外。左岸は人気地区なのだろう。たしかに、若い人が憧れそうなところだ。もちろん、家賃が高いのは16区とかなのだろうけど。)
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2008年03月12日

ルーブル・ツアー『死者の書』

 ルーブル美術館で英語のガイドツアーに参加した。今回は、エジプトからメソポタミアにかけてのお棺などの葬儀関連物(なんて企画だ!)。

 ツアーの中に、エジプトで見つかった、パピルスに書かれたいわゆる『死者の書』があった。これがおもしろかった。ガイドが、大きな動物のような人物が天秤棒を前にした図を説明した。これはいわば「最後の裁判」の図で、人生を終えた死者が、頭に真実の羽根を付けた神(?)に「さあ、アナタの順番よ」とでもいうように背中を押し出されるその前に、アヌビス神が、その死者の魂と真実の羽根を秤にかけ、オシリスの治める死後の国へ行けるかどうかを判定する。天秤にほんとに小さな魂が描かれている。実際に見るのは初めてだった。

 客が、こうしたフランスが持ち出したエジプトの“遺品”を、エジプトは返還しろといわないのか、という意地悪な質問をした。その応え。かつて、あるフランス人のエジプト考古学者がエジプト人たちの中心になって発掘を手伝い、「イギリスが別の『死者の書』を国外に持ち出そうとした時も、彼はそれを阻止しようとエジプト人と一緒になって尽力した。彼への信頼は、その死後、彼の遺体がカイロのエジプト考古学博物館の前に埋められたことでも分るのです。だからここにあるものは大丈夫なのです」。彼の名は、オギュスト・マリエット(Auguste-Ferdinand-François Mariette)。

 話はだいたい合っているようだが、帰って調べて見ると、厳密にはちと違うようだ。フランス人のお国自慢は、何十パーセントか割り引いて聞かないとイケないようだ。
(たとえば、ウィキペディア(Wikipedia)がどのくらい信頼できるか分らないが、そこには、
「パリで収集品の整理を終えた後マリエットは1857年に再びエジプトに赴く。・・・エジプト支配層からの信頼も篤かったマリエットは、再び発掘活動を推進、最盛期には3,000人の作業員を使い、アスワンから地中海沿岸まで延べ35か所の発掘地点で作業を行ったという。マリエットはこの頃からは発掘品をエジプト外に持ち出すことに否定的な考えを持つようになる。」
とある。
ちなみに、このマリエットが、後に発掘作業中に発見した一組の男女の遺体にインスピレーションを得て書いたストーリーに基づいて、オペラ『アイーダ』ができたという説がある。)

 エジプトやメソポタミアの埋葬品のあいだを歩いている時、隣にいたアメリカ人に、「こういう非常に古いものを、アメリカのキリスト者たちはどのように説明するのですか」と訊いたら、「天地創造は、キリスト降臨のはるか昔にあったとするのです。だから問題ありませんよ」と応えた。でも、質問は、時間的な問題だけでなく、「こういう諸々のものを、キリスト教は、どう整合的に説明できるのか」という意味だったんだがなあ。こういう人、アメリカによくいるんだよな。
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2008年03月08日

印象派の島での骨董市

シャトウ島・古物市1

 今日は、今日明日と、パリの西、セーヌ河に浮かぶシャトウという島で年に2回行われる、骨董・古物市に行ってみた。

 このシャトウという細長い中州は、実は、かつてモネやルノワールたちが光の輝きを描こうとやってきた場所で、「Ile des Impressionistes (印象派の島)」と呼ばれていたのである。ルノワールはここが気に入り、十数年ものあいだ通って30点ほどの絵を描いた。オルセー美術館にある、ルノワール作の『アルフォンシーヌ・フルネーズ』は、ここにあった人気レストラン「フルネーズ」を描いたもので、それはいまも残っている。(フルネーズは20世紀はじめに閉店。やがて、シャトウ市が、見捨てられ朽ち果てていたのを買い取って復元し、十数年前に再オープンした。)

 しかし、行って見ると、島はほとんどが電力会社関係の建物で多い尽くされている。対岸も、住宅アパートなどで埋め尽くされていて、かつての面影やいずこである。ただ、早春の良い天気だったせいか、かろうじて、セーヌ河に映える春の光が、かつての「印象派画家たち」を魅了した風景を思い起こさせた。

 トップの写真は、古物市の雰囲気。ざっと見たところ、たいしたものは置いてない風だが、フランス人がどのようなものを好むか良く分る気がする。中心は、食器、家具、(レースなどの)布地、その他に古書も。家具はどれも、古くてもしっかりと手が入っていて、良いものばかりであった(しかし、値もかなり張る!)。

シャトウ島・古物市2
 「古物市」というには、驚くようなものが置いてあることもある。これは、おそらく街灯、つまり街路灯。こんなものを買ってどうするのか?まあ、地方に見られるような大きな家があれば良いんだろうが。
 古い絵葉書・写真葉書(しっかり使ったもの)なんかも、けっこうな値段で売っていて、フランス人の古い物好きが、手に取るように良く分る。

シャトウ島・古物市3 こんな古いタイプの手回し自動オルガンで、懐かしい名曲を弾いてくれるお店も。もちろん、これも売り物だが、1000ユーロほどの高価なもので、さすがに声をかける人を見なかった。しかし、店の周りには、この懐かしい音楽に惹かれて、多くの人が集まっていた。

 骨董の他に、近郊のハムとチーズも直送販売していたのだが、試食するとこれが非常に旨かった。農産物、酪農製品は、まったくフランスはスゴイものである。素朴な手作りの味に誇りを持っている(実は、今日、一番感動した点)。もちろん、これはヨーロッパの多くの国でそうなんだろうけど。
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2008年03月07日

フランス人から遠くなる

 パリに住んでいろいろあって、パリジャン(特にパリジェンヌ)が嫌いになったせいか、フランス語がますます嫌いになってきた。モチベーション、下がりっぱなしである。

 いまは、徹夜の仕事の後で、パバロッティかけながら、ニボシで安ワインを飲んでいる。

 モノ・プリというスーパーで売っている、「マビヨン」という、なんと一本99サンチームのワイン。もちろん「何年もの」なんて気のきいたものではない。それどころか、「フランス産」と書いてありながら、イタリア産ブドウを使っている、と表記してある。イタリア産の滓(かす)ブドウを輸入して、フランスで瓶詰めしてるんだろう。

 だんだんフランス人から遠くなるねえ。
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2008年03月05日

女主導の「キス」

 「ゴメン、慣れてないから」と言い訳すると、
パリジェンヌは、マッタク困った男ネ、と呆れた顔をした――

 合気道でのこと。他にまだ誰も来ていなかったので、道場の脇でストレッチしていると、同じクラブの女の子が入ってきた。
会うのは、二週間ぶりである。

 「やあ」と言うと、ツカツカと近寄ってきた。
目の前に立ったかと思うと、横を向いた。
そのまま立っている。
一瞬、空気が凍る――。

 オォッ、と気づいて、差し出された頬に「キス」をする。
両側にしなくてはイケない。しかも、軽く。
これが男女の挨拶では普通だ。

 「ゴメン、慣れてないから」と言い訳する。
と、マッタク困った男ネ、と呆れた眼つきをこちらに走らせ、
すぐ身支度に去って行った。

 フランスは、かくのごとく、すべて女性主導である。
同時に、女性優先、女性特待、女性偉い、女性強い……である。
が、そのことはまたの機会に。
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2008年03月04日

テレビで映画『パピヨン』

 ちょっと前、夜テレビのチャンネルを回していたら、映画『パピヨン』をやっていた。ほ〜、フランスも懐が深いこと!と観てみることに。

 これは70年代のアメリカ映画だが、主人公はフランス人ということになっている。主人公が幾つもの罪を着せられた末に終身刑の判決を受け、はるか遠く南米ギアナにある、悪名高きフランス領流刑地、デビルズ島に“島送り”にされる。そう、フランスはそんなものを持っていた(過去?)のだ。

 話は、その地獄のような監獄から脱走しようとする主人公のサガを描く。「パピヨン」とは、胸に蝶の刺青を持つ主人公の別名。パピヨン役はスティーブ・マックイーン 。相棒をダスティン・ホフマンが演じ、今観てみると実に渋いいい感じである。

 映画が終わるとすぐ、クレジットが出る前に、デビルズ島にあった本物の監獄の建物が映し出され、「今はこうした流刑地監獄は、もうなくなった」の解説。「悪しき時代の遺物」のような説明だ。
良いのか、悪いのか……。

 トリビア:映画のダスティン・ホフマン、役を演じるのにすごく厚いビン底眼鏡をかけてるのだが、それを“矯正”するためにコンタクトレンズを使用したのだとか。ウィキペディア読んで、長年の疑問がやっと氷解した。
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2008年03月03日

メドベージェフ氏、大統領に

プーチンのためのメドベージェフ1

明らかな出来試合というか、やらせというか、ロシア大統領選でメドベージェフ第1副首相が圧勝したが、国際世論はしっかりと冷めている。

メドベージェフ氏が70%近い票を獲得したことにも、インターナショナル・ヘラルド・トリビューン(IHT)紙は、
「Medvedev secures election -- not role(メドベージェフ、選挙を確実なものに――役割ではなく)」
と、背後にプーチンがいることをはっきり皮肉っている。
以下の記事。ただし、インターネット版では、「Medvedev is victor in Russia election」と、違う見出しがついている。
http://www.iht.com/articles/2008/03/02/europe/russia.php

上の写真は、インターナショナル・ヘラルド・トリビューン(IHT)紙の記事より。
Putin seeks big voter turnout to help successor
http://www.iht.com/articles/reuters/2008/02/29/europe/OUKWD-UK-RUSSIA-ELECTION.php
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2008年03月02日

ノートルダム寺院に上る

ノートルダムのシメール1

 この日曜は、フランスの主要美術館がタダの日。くわえて、冬のあいだだけ、大きなモニュメントも無料公開される。ノートルダム寺院の塔もその一つ。徹夜続きの仕事からやっと解放されたので、行ってみることにした。

 こういう“お上りさん”行為は、できるだけ避けていたのだが、いつまでも強情張っていると、だいじな物を見ずに終わってしまう。で、朝早くから出かけ、小雨が降りまだ冬のような寒空の下、行列に1時間並んだ。

 列に並んでいると、目の前に立っていた長身でコート姿のおじさんが後ろを振り向くや、「チョット、待ッテテクダサイ」と言った。道の反対側の土産物屋を指差すので、場所を取っておいて欲しいのだとわかったから「ああ、いいですよ」と日本語で応えた。カタコト日本語にしては、発音がはっきりしているし、「待ッテテクダサイ」」はかなり高等である。

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