2010年07月30日

心が貧しい日本の都会人

妻子を上さんの実家に送って行った。飛行機に乗るので、まず空港に行かねばならない。渋谷経由で行った。あらかじめネットでベビーカーで行けるかどうか、つまりエレベーターが使えるかどうか確認して行ったのだが、地下鉄からJR線を経ての道のりは、最悪であった。

まず地下から地上に出るための2つのエレベーターの前には、ものすごい行列ができている。つまり、ベビーカーでも車イスでも老人でもない普通の出勤人が、みなこのエレベーターを使おうとしているのだ。したがって、ベビーカーも車イスも老人も、この長い行列に交じって待たねばならない。健常者がエスカレータで上がれば、もっとスムーズに行けるだろうに。しかも、ベビーカーが乗るには、それ相応のスペースがなくてはならないから、混んでいるエレベーターはやり過ごさねばならなかった。

さて、エレベーター地上に出てみて驚いた。そこからJRの駅までは、交通量の多い大きな通りを2本渡らねばならないのだ。そして、JRの駅で山手線に乗るにも、エレベーターでまず3階に上がり、そして今度は2階に下りなければならない(どういう構造なんだ)。もちろん、エレベーターは普通の人達が乗るので、なかなか来ないのである。

山手線から乗り換ようとエレベーターの前で待っていた。前にやはりベビーカーの若い奥さんがいた。そこに犬を入れたケージとスーツケースを引いた女性がやって来た。エレベーターのドアが開くと、横からその女性が乗りこもうとした。ケージとスーツケースが乗れば、ベビーカーが2台乗れるわけはない。

私はそのケージの女性と、その娘らしい二人を手で止めた。
 「失礼。順番ですから」
そして、ベビーカーの若い女性にどうぞと言い、われわれもその後に乗りこんだ。
割り込んだ女性はバツが悪そうに、娘を見ながら、「エスカレータで行こうか」と言った。
エレベーターの中で、女性に私は憤慨をおさえながら言った。
「東京の人は、順番を守りませんよねえ」
若い女性は、「ありがとうございます。順番はちゃんと守ってほしいですよね」と、意外な親切にどう答えたらいいか分からないようにボソリと言った。

歩きながら、これから、こういうマナーのない大人を、できればその子供の前に叱る運動でも始めようか、と妻に冗談を言った。こういうマナーで文化が測れるなどとは言わないが、日本人の都会人のエゲツなさがよく出ていると思った。

空港の駅でエレベーターに乗ろうとすると、やはりスーツケースも持たない客でいっぱいであった。しかも、人がいっぱいで乗りこむのに躊躇していると、わきから駆けて来て、すき間に乗りこむ女性が何人かいた。イイ大人がこういうことを露骨にする先進国は、知る限り日本だけである(東京だけかもしれないが)。フランス人は、知られているようにかなり利己的だが、ベビーカーが来れば、優先して乗せるのが普通だ。

考えてみれば、この国は他人のために扉を開けてやることさえもまれだ。一度、デパートで人に開けてやったら、その後から来る者たち、若いのも立派な大人も、こちらがドアマンかなにかのように、感謝の言さえいわず平気で通り過ぎて行った。

なんと心の貧しい人たちか。そして、なんと「ヘルプが必要なもの」に無関心・無神経な街か。ことこれに限ったことではないが。つくづくがっかりした。「文明国」の看板は降ろした方がいいと思う。「バカの壁」ならぬ、「自己中の壁」。
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2010年07月29日

やたら「しゃべる」

パコは、一日中、やたらしゃべっている。
両手を広げ、足を延ばして、“しゃべる”。アプレププー、アウレゥクー、ハウハウ、キャハー……かなり真剣だが、もちろん意味は不明。

言語能力が新たな段階に入ったんだろうなあ。
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2010年07月28日

足を発見

数日前から、パコは「自分の足」を発見したらしく、足の親指を手でつかむというしぐさをするようになった。

すべての存在は舐めて――文字通り、舌でなめて仲良くならなくてはならないから、この「自分の足」も舐めようとするが、まだ届かない。

一生懸命、両手で掴んで、空中に持ち上げ、ニコニコする。なんか白いカメ虫みたいである。
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2010年07月24日

股関節脱臼(無神経な医者)

(育児日記から)
先週、妻がパコを連れてここの地域がやってくれる定期検診に行ったら、担当の先生から、股関節脱臼だといわれたそうだ。

しかも、この女医さん、言い方がかなりストレート、断定調、しかもぶっきらぼうだったそうで、「ハイ、それ股関節脱臼ね、見ればすぐわかるよ」てな具合だったそうだ。

たしかにパコの股関節はかなり固く、オムツを換えていてもそれは分かる。膝の上に立たせたりすると、足(片方の?)が内側に向いているように見えなくもない。ただ、この月にしてはかなり早く「立てる」ので、正常のような気がするのだが。ビッコになるのか……。

それにしても、しっかりと説明せず、相手の不安も考慮せずに断定調でいう医者など、ろくな医者はいないと思っている。まずプロフェッショナリズムにかけている。じっくり診察する前に「見ればすぐわかる」などとは、論外だろう。「診る」ではない、「見る」なのだ。なんと無神経な。

まわりの看護師はさすがに気を遣って、「あるとすれば先天性のもので、お母さんが何かしたというわけではないから」と言ってくれたそうだが、だとすると、先天性股関節脱臼ということになる。

妻は、医者のキツイひと言にとり乱し、看護師の言葉に慰められてものの、ことの深刻さに落ち込んで帰って来た。

役所に怒鳴りこんでやろうかと思ったが、まずはパコを専門医に見せなければならない。しかし、薦められた腕の良いらしい専門医は、予約が一カ月以上先と言われた。それ以来、妻は、かなり不安そうで、落ち込んだり心配ばかりしている。
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2010年07月23日

盆踊り

近所の商店街で盆踊りがあるというので、パコをおんぶ紐に入れて連れていく。

商店街アーケードの中庭に小さなやぐらが組まれ、提灯にかこまれて、「東京音頭」を踊っていた。周りには、ヨーヨー売り、飴屋、焼きそば屋、かき氷屋など、商店街手作りの小さな店がならんでいる。

浴衣を着た近所の子供たちが、団扇や飴を手にして走り回る。普段着姿の老人も、夏の初めの到来に目を細めている。

パコには、生まれて初めて見る催し物。口をポカンと開けて、眼をパチパチしていた。

その夜、パコは、興奮したのか、なかなか寝付かなかった。たしかに、提灯、浴衣姿に「東京音頭」では、ちょっと刺激が強すぎたかもしれないなあ。
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2010年07月22日

ヘッドホン

手元にヘッドホンがあったので、ラジオ局でライトジャズを選んで、パコの耳につけてみた。

耳元に響く生々しい音楽にうれしいのか、パコは、両手、両足を伸ばして、キャッキャッと喜んだ。

いつまでも、キャッキャッ、楽しげである。そんなに楽しいなんて、いったいどんな音楽がかかってるのかね。

ヘッドホンをはずして、自分の耳につけてみた――ありゃ?
実はなにもかかってなかった。
ちょっとしたプチ怪談……?
それとも、コイツ、電波系か?
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2010年07月20日

「外国人実習制度」を悪用する日本の会社

インターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙(ニューヨーク・タイムズ紙と同じ)に、日本に「外国人実習制度」でやって来た中国人が、まともな賃金も払ってもらえないことで会社を訴える、という記事。携帯電話製造の会社で働いていたが、最初の年にはらわれた賃金は月1万5千円、無報酬の残業は700時間以上になったという。しかも、6人の中国人がソーシャル・ワーカーに現状を訴えたところ、会社をクビになったという。

記事は、老人人口が増え少子化が進む日本では、外国人の実習生が貴重な労働力になっている、とも指摘している。

しかし、それにしても、朝日新聞にこうことの「追っかけ記事」が載るのを見たことはない。日本の“恥”は載せないのか?そうだとしたら、それこそ、日本のメディアの恥だと思うが。
Japan Training Program Is Said to Exploit Workers
http://www.nytimes.com/2010/07/21/business/global/21apprentice.html?_r=1&ref=global-home
一部引用
Instead, the women say, they were subjected to 16-hour workdays assembling cellphones at below the minimum wage, with little training of any sort, all under the auspices of a government-approved “foreign trainee” program that critics call industrial Japan’s dirty secret.

Ms. Zhang says she was let go last month after her employer found that she and five compatriots had complained to a social worker about their work conditions. A Japanese lawyer is now helping the group sue their former employer, seeking back pay and damages totaling $207,000.

Critics say foreign trainees have become an exploited source of cheap labor in a country with one of the world’s most rapidly aging populations and lowest birthrates.
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2010年07月19日

人生初めての経験

サランラップを使い終わったので、30センチほどの芯の筒があいた。パコになんかやってやれないか……。

直径3センチほどの穴から、パコを覗いてみる。覗いたこちらの眼が見えるのか見えないのか分からないが、パコは遊んでもらって嬉しいのか、いつものようにはしゃぐ。

口にあてて、「パコーー」と言ってみた。一瞬、パコの動きが止み、一秒ほどして
「わわわわっー」
眼を見開いて、なんだこりゃ、というようなスゲエ驚いた顔をした。ほぅー。もう一度やってみても、やはり一秒ほど遅れて反応する。ほほう。

そんなところから声が出てくるのが驚きなんだろうか。こりゃ、面白い。近くに、でかいフランスの地図を丸めたの(長さ1.5メートルほど)があったから、同じようにやってみたが、これは反応しなかった。

いろいろ「人生初めての経験」をさせて観察してみよう。
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2010年07月18日

寝返り続報:右腕が抜ける

右回りに寝返って、下になった右ひじが抜けた。両ヒジを伸ばして、腹ばい状態だ。寝返りをして手を叩いてほめられたことがあったためか、首を持ちあげて得意そうにしている。(首はとうに座って、しっかりともちあげる。背中から首への曲線は、美しいくらいだ。)

しかし、そのままどうにもできない。逆に、腹這いのまま両手を持ちあげて、ウンウンうなっている。そうやって空でも飛ぶつもりかね――。しばらくすると、泣き出す。

やれやれ。パコ、ほら、こうやって、ヒジをもっと体の側に引いて……、ヒジを内側に入れて……、重心を移せば……、と合気道の受け身の極意を教えるつもりで、体を傾けてやると、頭が大きいから、かんたんにゴロンと仰向けになる。

パコは、突然、腹ばいから仰向けになって、驚き、泣きそうになる。そこで、手をたたいて「ほめた振りをする」。と、「ありゃ、わたし、なんかスゴイことやったんだ」と、笑顔になるのだ。

かんたんに笑う。こりゃ、良い武器を手に入れたワイ。
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2010年07月16日

寝返りはできたが、さて……

パコは右回りしか寝返りが打てない。右回りに寝返るが、からだの下になる右手が抜けない。それでも、自分で元に戻る能力を身につけてくれないと困るので、手を出さずに見守っている。

寝返ったまま、新しく開けた“世界”を、首を回して不思議そうに見ている。が、そこから何ともできないので、しばらくすると、「うーうー」とうなりだす。それでも放っておくと、泣き出す。

しゃあないなあ。突然、ゴロンと上向きにしてやると、何が起きたか判らずにキョトンとしていたと思うと、「なにすんだよー」と泣きだす。その繰り返しだ。やれやれ。
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2010年07月15日

初寝がえり

朝、気が付いたらパコが寝がえりをして、腹ばいになっていた。驚いた。パコも、自分でもなんでそんなかっこうをしているのか腑に落ちない様子だ。

しかし、「寝返り」はかなり偶然の産物らしく、じっと見ていても、繰り返すことはできそうになかった。

夕方、ウンショ、ウンショと寝返ろうとするパコを、上さんとみつめる。やっとのことで成功。二人で手を叩いて大喜び(完全な親バカ)。パコは、なんで二人が騒いでいるのか不思議そうだった。しかも、元に戻れないから、しばらくすると、うーうーと唸りだして、そのまま放っておくと、挙句に泣きだす。

仰向けにしてやると、やがて、またクルリとやって得意そうな顔をした。
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2010年07月12日

選挙結果

選挙は、夜半には大勢が判明。大方の予想通り、民主が敗北した。「惨敗」と打っているニュース報道が多かったが、たしかに一人区は全滅だが、二人区、三人区は前回とほとんど変わりはなく、得票率を見れば民主はそう劣ってはいない。「惨敗」というのはセンセーショナリズムだろう。メディアもこんな結果を分かっていたのだろうから、煽り立てることを目的とする「決め打ち」としか思えない。

自民が勝ったように騒いでいるが、得票率や政党支持率を見れば、大喜びできないのは明らかである。特に巨大な浮遊票は、頼りない政権政党を罰するために投票するものだろう。それは、洋の東西を問わない。

民主が負けた理由が気になるところだが、朝日新聞の報道によれば、民主に入れなかった者のうち「消費税」をあげたのは約50%であるという。もっと多いのではないかと思っていたので、これはまあ冷静な市民もいたということなのだろうか。もっとも、もう少し分析を待たないといけないだろう。

菅総理は消費税増税を持ちだしたことについて「謝罪している」という。地方の民主党議員も「なぜ、この時期に消費税増税を言うのか」と怒ったと言う。選挙を政策判断の手段にするのは、必ずしもいい傾向ではないと思うが、避けられまい。それより、理性的に見ればこの国の(“破産”したギリシアより深刻な)赤字の状態を語り、したがってその対策(消費税増税はその大きな可能性の一つである)に触れるのは、自然な話であろう。しかも民主は消費税増税をいずれ導入せざるをないと睨んでいるのであろう。選挙運動中だけはそれを隠そうというのは、偽善であろう、情けない政治家たちである。

もっと情けないのは、選挙運動中の自民政治家の論理である。「バラマキ」だの「赤字財政」だのと言っても、その巨大な根を作ったのは自民政権ではないか(年金問題のカオスは言わずもがな!)。その真摯な反省にもとづく対策案を一言も聞けなかったような気がする。

どちらも情けなく、幼稚な政治家であったと思う。悲しいかぎりだ。
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2010年07月11日

参議院選挙

午後4時ごろまでは持ったが、その後、雨。参議員選の日。昼過ぎに近くの小学校に行ってきた。

「消費税」が原因で民主が負け、自民に票が集まるとすれば、この国民には失望せざるをえない。ここまでの国家財政破綻を作ったのは、どの政党か。赤字になることを知りながら国民にバラマキをし、赤字になってゆく体質を作り、税金で私腹を肥やす構造を許してきたのは、自民党なのに。その過去の政策と、彼らがこれからやろうとしていることは、どれだけ違っているのか。

郵政選挙のときもはらわたが煮えくりかえったが。この国民は、目の前のことより遠くをみえるだろうか。
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2010年07月06日

空にのびる手

ひと月ほど前から、パコは寝たまま、両腕を上にあげるようなってきた。一生懸命、持ち上げている。

まだ何かを掴めるわけではないが、直立歩行する「人間」としての可能性を感じさせるように思える。たんに寝転がって、手足をバタバタしていた時にくらべ、体の「前後」、「裏表」が出来上がり、立ち上がれば、「上下」が加えられるんだろう。なにか生きる方向を感じるような仕草である。

なにより、中空になにかを求めるしぐさに見える。
私の子ども時代は不幸だったので、パコには幸福になってほしい。
パコ、空から落ちてくる幸福をつかめ。
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2010年07月03日

酒の相手

口元をまげて笑顔を作ることもできるようになり、時にキャハキャハと声をあげて笑うこともできるようになってきたので、ベビー・ラックをテーブルのわきに置いておくと、愉快な酒の相手になる。話しかけると歓び、こちらが箸を使って、ズーズーと蕎麦でも喰ってると、興味津津な風で見て驚いた顔のあとに、時にその百万ドルの笑顔を振りまく。

盃片手に、訊いてみる。
「よ、若い娘さん。調子はどうですか」
「あー、あー」
「そう……いろいろ、あるねえ。で、人生はこれまでのところ、どうかね」
「あぅー、うっぷー」
3か月の人生は、わりとまとめやすいらしい。

なかなかの美しい酒の相手だ(小言を言わんし)。唯一の欠点は、そういうふうにしていると興奮するのか、20分くらいでおしっこをしてしまい、オムツの交換となるのだ。パコは、突然、泣き出す。酒の手を休めて、あわててベビー・ベッドへかつぎ込む。
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2010年07月01日

日本対パラグアイ戦

はっきり言って、パラグアイ戦は良い試合ではなかったけど。相手のパラグアイも、疲れからか眼を見張るようなプレーは少なかった。それはドイツなどの海外のメディアがはっきり言っている通り。しかし、それだから(パラグアイも良い試合ができなかったから)こそ、勝てる可能性があった。

オシムの言葉、あいかわらず毎回、ナルホド、うんうんそうなんだよなーと言いながら楽しんでいる。朝日新聞スポーツ欄の「オシムの目」は観た試合を考え直すのに実に良いが、本日7/1付けのも興味深かった(下に全文を掲載)。

さらにウェブサイト「『オシムの伝言』公式ブログ」も実に面白く、勉強になる(元日本代表監督をやっていた時の通訳、千田善さんがオシムの言葉を書き留めるブログ)。7月1日の「たかがサッカーじゃないか」 は、日本戦を実に分かりやすく分析している。この記事もどこまで正確な復元か判らないのだけれど。

そのブログに紹介されているが、スカパー放送内でパラグアイ戦後にオシムがしたコメント(動画)がユーチューブにアップされている。
http://www.youtube.com/watch?v=AUtZcXdAMa4 
この中、最後の方で、オシムは「得点した人だけを持ちあげる日本のメディアにも、問題がある」というようなことを言っている。そうなんだよ。そのスポーツに関するメディアのレベルは、国民のレベルに繋がり、ひいてはその国のプレーのレベルもかなり反映しているように思えてしまうのだ。悲しいことだが。
本日7/1付「オシムの目」
 PKを失敗した駒野を責めないでほしい。駒野も自分を責めないように。PK戦はサッカーではない。

 パラグアイ戦は日本にとって、いくつかの意味でとても残念だった。一つはベスト8に進出し、世界にアピールする絶好の機会を失ったという意味。もう一つは、そのチャンスをものにするために必要な勇気を少し欠いたように見受けられたことだ。日本は延長に入る前に、決着をつけるべきだった。前半の戦いは悪くなかった。アグレッシブなプレーから気迫は感じた。競り合いのこぼれ球も、ある時間帯までは日本が数多くものにしていた。

 しかし、肝心なところで技術的・戦術的なミスが繰り返され、チャンスを得点に結びつけられなかった。フリーな味方を使わず、自分で強引なシュートを打つという問題も1次リーグと同じだった。パラグアイもミスを連発してくれたから助かったが、日本の武器であるはずの組織性、俊敏性をパスミスによってつぶしてしまった。なぜミスが起きたか。「ミスをおかしてはならない」という恐怖感、精神的重圧が原因であることが多い。後半から延長にかけては、さらに腰が引けた。「勝ちたい」という気持ちを「負けたくない」という気持ちが上回ったのだろう。
 
鋭くパラグアイを脅かす武器を手にする必要があった。速い選手、アイデアのある選手を、後半のはじめから投入することを考えてもよかったのではないか。結果論だが、中村憲の投入は遅く、彼がパスを出しても、走る体力が残っている選手は少なかった。

 だが、決勝トーナメント1回戦で敗退するような準備しかしてこなかったとも言える。準備期間から試合内容まで十分に分析し、教訓を引き出すことを望む。敗因の中心部分が重圧に対応できなかったことにあるとすれば対応はシンプルだ。W杯に続けて出場し、重圧のかかる場での経験を積み重ねることだ。次のW杯前にも対策はできる。Jリーグでプレッシャーに慣れることだ。そのために、満員のスタジアムで、レベルの高いサッカーをしなければならない。Jリーグを大いに盛り上げてほしい。

 南アフリカでの健闘が一過性ではなく、日本サッカー界全体のレベルアップにつながることを期待したい。
(前日本代表監督)
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