2011年03月31日

経済性とテイサイ優先の日本社会

海外から心配してくれるメールに、私は「情報操作と隠ぺい――われわれの国は、近代国家・民主主義を掲げながら、こんな前時代的な治め方をしているのです」と返事を書く。

以前から、上さんには「この国の原子力は問題アリ。それは技術的にというより、その技術を設計し取り扱う人間や会社の問題。特に、古い福島原発は危ない」と言い続けてきた。国のシステムというものを信頼している上さんは、フンと、私の心配を笑い飛ばしていた。

今回の事故ならびのその後のテイタラクに、上さんはショックらしい。確かに私にも「ショック」だし悲しい事故だと思うが、実を言うと驚きはしない。東電の事故直後の処理のマズサがここまで酷いとは驚きだったが、全く予想外ではない。それは、この国には「経営論理、企業リンリ」つまり、人(この場合、人の安全や命)よりも企業の体裁やメンツを優先する姿勢が根強くあり、倫理よりも経済性を優先してはばからない風土である、という信念があるからだ。その意味では高度経済成長時代からさして変わったわけではないだろう。

それに加えて、大手メディアに勤める人、ジャーナリストも似たような傾向がある。フリージャーナリストの上杉隆が、出演しているメディアやラジオ番組でTEPCO(東電)や電事連(電気事業連合会)を批判したら、プロディーサーに番組を降ろされたそうだ。
http://www.timeout.jp/ja/tokyo/feature/2754
東電や政府筋の「ウソ」も指摘されている。

電気力会社、原子力関係、大メディア(特に「キシャクラブ」に属する)者たちは、自分たちが正確な報道をしていないことを、どう思っているんだろうか。「生活がかかっている」とでもいうのだろうか?

なら、応えよう。福島にいる人たちは、これまでも、そして今も、
「命がかかっている」

しかし、東電はすぐには変わらない――会長の「記者会見」を見て思った。
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福島県前知事「無分別が生んだ破局」

書き手に疑問のある方もあろうが。→原発事故の直後、メディアで「これくらいの放射線は安全」と繰り返していた東大教授たちが、当大学でしていたこと。武田邦彦(あの『エコの嘘』で安井至氏その他から批判されていた)の指摘。
http://takedanet.com/2011/03/42_20e0.html 

それから、福島県前知事の佐藤氏の話。原子力政策に巻き込まれた日本の大メディアは、こういうまともな意見を真剣に記事にする気にもならないのだろうか。
「無分別が生んだ破局」と福島県前知事の佐藤氏、仏紙に
佐藤氏は福島県知事時代の1998年、全国で初めてプルサーマル計画を了承。プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料が福島第1原発に搬入されたが、2002年に東電の原発トラブル隠しが発覚、了承を撤回した経緯がある。

 佐藤氏は「(今回の事故で)恐れていたことが現実になってしまった」と指摘。日本の原発行政を推進する経済産業省と監視機関の原子力安全・保安院を分離すべきだとの声があったのに実現していないことを挙げて「日本は民主国家だが、浸透していない分野がある。正体不明の利益に応じて、数々の決定がなされている」と原子力行政の不透明性を暴露した。
http://www.47news.jp/CN/201103/CN2011032801001106.html
原発災害用のロボットが代わりにアメリカより来たが、日本のロボットは、メンテが悪くて使い物にならないんだという(テレ朝・報道ステーションより)。どんだけアマチュアなんですか、日本の原子力関係者は? 噂では、予算がつかなくなって作業ロボットを維持できなくなったんだとか?安全軽視そのものである。

今日の保安院の解説。放射性ヨウ素131が、「やや高い値の」基準4385倍が海水から検出された。なんだ、「やや高い値の」って。(原発推進の)経産省の下にある保安院に安全を任せることは、もうできないと思う。
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2011年03月30日

NHK解説者の怪

東電記者会見での、「記者クラブ」メンバーのフリーのジャーナリストの質問に対する<割込み発言>、凄かった。(最初に立て続けに日経記者が質問したのにも、「やはり」と思った)。フリーの田中氏のスルドイ質問(東電会長と大メディアの中国旅行について)にも、記者席から「やめろ」という声が上がった気がする。そうだとしたら、恥ずかしくないのか?

昨夜9時のNHKニュースに出た解説者、大阪大大学院の教授の話も、聞いていて悲しくなった。今の段階で日本人のほとんどが分りきっていることを回りくどく言い、大越氏の質問に対してストレートに答えず、要は「注意・警戒しましょう」。そんなことなら、誰でもいえる。

経歴を調べてみると、原子力協会(学会)から賞をいただいている。ああ、先生もいわゆる「原子力ムラ」……。
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基準値2倍

もし食品安全委員会が、食品のセシウム基準値を2倍まで認めれば人々が気にせずその食品を食べるようになる、と考えているとしたら、彼らは、買い控えや風評被害の背後にある人間の心理を何も理解していないナイーブな人たちということになる。「基準値2倍」は流通を認めるだけにすぎない。

アメリカから援軍が作業ロボットを持ってやって来た。
さて、アメリカ援軍の責任者のコメント「原発までにはガレキがあるが動線を確保しなければならない……」なんと判りやすい! 日本人の説明は……。さらに、「日本はもうすぐ梅雨に入るから……」という一言。――そう。これは、これまで日本の誰も言わなかったと思う。彼らプロだなと思った瞬間。
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2011年03月29日

1ミリと100ミリの不思議

国会で、鬼の首を取ったように民主政権を批判している自民党議員よ。この国の原子力行政が自民党政権時代に造り上げられたことを、まさか御存じないわけではないでしょう。原発行政=電力会社との協同、安全の軽視政策を含みます。民主におとらず自民党の罪は重いでしょう。

その責任を感じて、いいかげん「政局」判断で動くのを止めて、一日も早く、災害復興に協力するべきです。

さて、いまの懸念は、放射能の年間被ばく量を(国際基準の)「1ミリシーベルト」とすべきか、日本で頻繁に言われだした「100ミリシーベルト」とすべきか。TVに出てくる専門家は「100ミリ」をお勧めで、それは「1000人に5人にガンが発症する程度」って――それは高くないの?しかも、子供はもっと割合が高い。「日本人は半分がガンにかかるのだから、気にする割合ではない」と。それは生涯ででしょうに。どうも納得いかない。

子供のうちからガンの発症率が高くなっていいのか?パコを持つ親として、まったく納得いかん。
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2011年03月28日

日本メディアの醜さ

26日深夜のTV朝日『朝まで生テレビ』は今回の大震災・原発事故がテーマだった。スタジオに集まった原発推進派の論調(?)に驚く。
「原発は、リスクを無視しなくては作れません」
「(今回の事故は)いい教訓です。これから安全性を高めればいい」
と言い切る政府系研究所出身の学者。

特に、有名な女性経済評論家(原発のCMにも出ていた)の
「そもそも、放射能物質が実際よりかなり怖いと思われていることに問題があるんです」
「今回の原子力の問題、死者が出ましたか? 津波の死者と比べて、報道のされ具合と死者数のバランスが悪いと思います」
この最後の発言には、まさに耳を疑った。

この愚劣な発言は、保身のためか、本当にそう信じているのか?(司会者もツッコまなかった。)しかし、TVで大変な露出度があるこの評論家の人気は、日本ではあいかわらず続くのだろう。心酔する人は変わらないのだろう。

こんな論調が大手を振って歩き回り、情報操作に近いことも平気で行われる――今の日本は、本当に恐ろしい。今回の震災はメディアの醜さを露呈したと思う。しかし、「醜い」と思う以上に、体が震えるほど恐ろしい。

朝日新聞も露骨に怪しからん事やっていたらしい。枝野官房長官の記者会見の重要な部分をカット。まあ、キシャクラブに属するこの国の大メディアは、信用していないけど。
安井至さんのコラム、下の方
http://www.yasuienv.net/DiscFood.htm
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2011年03月27日

プルトニウムの怪

放射線関係ででてくる専門家の話で、今や最大の謎である。

――プルトニウムの影響はないんですか?
「プルトニウムは、非常に重いから飛散しません」
――日本でも検出されているんじゃないですか?
「まあ、あちこちで見つかっているものは、冷戦時代のものです」
じゃあ、飛んできたんじゃん!!

メディアに出てくる専門家の出身大学をみるとだいたい同じ――ということは、学閥➔同じ考えかた?
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2011年03月26日

広瀬隆氏「『原発震災』の真実」

近くのコンビ二の顔見知りのおばさんが、ペット水2Lを取っておいてくれた。「パコちゃんがいるから、どうしたかと思って……」。泣けてくる。

広瀬隆氏の重大な指摘、「福島原発で何が起こっているか?−現地報告と『原発震災』の真実」ビデオ。50分〜1:10分頃に注目。
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/926

他の原子力発電での出来事、原子力関係のしてきたことを考慮しても、広瀬氏に分があると思う。
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2011年03月25日

NHKのやり方

NHKのBS海外ニュースを観ていたら、米ABC Newsのコメントを途中でばっさりカット。あまりに不自然なので、ABCサイトでチェックすると、Michio Kaku教授のコメントでカットされた直後にかなり深刻な指摘が。

http://abcnews.go.com/International/japan-breach-suspected-nuke-plant/story?id=13218997
カットされた2分30秒あたりから。最悪のシナリオの場合、3つの炉で同時にメルトダウン、プルトニウムの危険も指摘。微量でも肺ガンと。
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2011年03月24日

買い占める日本人

納豆も牛乳も、スーパーの棚は空だ。義捐金を送る日本人は、パニック買いもする国民なのだろうか。もちろん同じ人々ではなさそうだが、ふだんの生活でも、場所取りなど、自分の利益しか考えない行動は多いのだから、多くの日本人の習性か。

日本人のミーイズムは近年のものだ、という人がいるが、「買い占め」はオイルショックの70年代にもありましたよ。つまり、自分のことしか見えなくなるんじゃないか。連帯意志のなさ? いや、余裕のなさ? ヨーロッパの人々と比べると、特に強く感じる。

さて、東京の水は「大丈夫」とメディアが言い出しても、パコのためにペットボトル水が必要だ。しかし、スーパーには品薄で、1人につき500ミリ1本しか売ってくれない。あちこち行ってやっと2本手に入れた。
こういうときは通信販売――そこで、ネットを見て驚いた。

ふだん1本180円くらいのペットボトルの水が、ネットの店では1本400円〜500円って?!便乗だろうこれは。買い占めておいて高く売ろうとする輩は、オイルショックの時にも現れた。こりゃ、エゲツナサは、この国に根付いたものですかな。

この災害に便乗して高値で物を売っている店は、覚えておいて、平常に戻ったらボイコット運動することを提案します。
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2011年03月23日

人災――東京電力と日本の原子力行政

すでに知られているように、東京電力は、地震の一カ月ほど前、老朽化して限界だったはずの福島原発6機の使用をさらに10年延ばすように決定した。その許可を出したのは、もちろん政府だが、その際に福島原発の安全性に問題があったことが分かった。しかし、東電側はちゃんとした手を打たなかった。そのいきさつが、NYタイムズの記事に載っている。
http://www.nytimes.com/2011/03/22/world/asia/22nuclear.html?_r=1&ref=global-home

正確には記事を読んでほしいが、英語を読むのがメイドウという方のために、ポイントをいくつか。(時間がないので、走り書きで失礼。)
・東電が出した延長案を検討していた政府サイドthe regulatory committee(原子力安全委員会?)は、第1号機のバックアップのためのディーゼル発電機にストレス亀裂があることを指摘した。これは、大波や雨でダメージがあった場合に危険なことになるものである。

・延長許可が下りた後、東電側は、6つの炉で、水ポンプやディーゼル発電機を含む冷却システム関係の部品33個を点検し損ねていたことを認めた(the nuclear regulatory agency原子力安全・保安院?のHPに、地震直前に載ったという)。

・保安委員会(?)は、「保全管理が不適切で、点検も不十分」としたが、その後、2週間もたたずに、地震が起こり、原発は大災害を起こした。

・老朽化した原発を延長利用する決定や、6機での点検不備は、電力会社と政府規制サイドの不健全な関係を際立たせることになった。今回延長利用を勧告したような専門家グループは、大部分が学者から選ばれて、官僚の意志決定を支持するだけで、選んだ機関に反対することはほとんどない。
この記事には、原発に反対の姿勢を示したら“汚職”で失脚させられた佐藤栄作元知事の話も載っている(噂によると、佐藤栄作元知事は、利益供与「0円」の罪だったそうな)。
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2011年03月22日

危機管理や初動の甘さ

北大名誉教授の岡田弘氏(NPO法人環境防災総合政策研究機構(札幌)理事)が、今回の危機管理や初動の甘さを指摘している。シンプルかつ有効な方法だと思う。言っておくが、これは、この民主党政権だからというのではなく、この国の(これまでの)危機管理の甘さ――福島の原発は前政権・自民党(=原発推進派)の下で決まったものだ――ゆえの問題である。
岡田弘・北大名誉教授に聞く 初動、危機管理に甘さ 集団避難、道内受け入れを
 死者・行方不明者が2万人を超えた東日本大震災では、津波で陸路が寸断、救援物資が届かない集落の孤立が問題になっている。被害を最小限に食い止めるため何が必要だったのか、被災者のために北海道は今何ができるのか――。NPO法人環境防災総合政策研究機構(札幌)理事の岡田弘・北大名誉教授(67)は、危機管理や初動の甘さを指摘している。

 岡田さんは火山学者のイメージが強いが、もともとの専攻は地震学。1977年の有珠山噴火対策にかかわり専門を火山学に変更したが、津波や地震、その防災にも詳しい。

 今回の大震災の規模について、識者の多くは「想定外」と繰り返すが、岡田さんは「自然災害は予想を超えることがあるのは常識だし、2万2千人が亡くなった1896年の明治三陸大津波や、インドネシア・スマトラ島沖地震による巨大津波も起きており、今回の津波は最大級ではあるが予想の範囲内。この規模の津波が、もしかしたら起きるかもという認識が不十分だった」と指摘する。

 初動態勢にも問題があったという。
 「地震発生は午後3時前。暗くなるまで3時間はあった。自衛隊の偵察機を飛ばして海岸沿いの写真をすべて撮り、被災前と比較解析すればどの集落がやられたかすぐ分かり、翌朝一番で救援物資や衛星電話をヘリから投下できた。集落孤立へのリスク評価が甘かった」。何が起き、何が必要で、どうすれば生存者を助けられるか、危機管理の徹底した見直しを訴える。

 津波警報や注意報についても「発表は第1波の到達予想時刻と高さだけ。これは最初の小さな波の情報にすぎず、それ以上の波は来ないと思う住民も出てくる」として、潮位がその後どう変化していくかのデータを速報するなど、改善を求める。

 大津波の危険が去っても警報を出し続けている点も問題視。「警報は大げさ」「当たらない」といった不信感を増幅させるからだ。

 「誤解されない情報の出し方をしないと避難率は上がらない。津波到達までにとにかく高い所に逃げることを普段から子どもたちに教え、伝えて行くことも大切」という。

 被災者支援については「北海道は大きな役割を発揮できる」と強調する。東北は広範囲に被害を受け、福島は原発が心配。首都圏も電力不足で、東日本で余力があるのは北海道だけ。道内の温泉施設や保養所などを今すぐ提供し、コミュニティーを崩さず、集落丸ごとの疎開を受け入れるよう提案する。費用は公費と寄付で賄う。被災者をケアし話し相手になるボランティアも必要になる。

 2000年の有珠山噴火では避難指示に先立ち、高齢者を温泉施設に移したり、避難住民をバスで温泉に送迎したこともある。

 「市町村レベルでなく北海道として、こうした支援を表明してほしい。次は道民が被災してお世話になるかもしれないんですから」
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/280064.html
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2011年03月19日

ああプロ野球コミッショナー……

加藤良三コミッショナーが、プロ野球分離開催を認めたようだ。パ・リーグは4月12日なのに、セ・リーグは本来の3月25日開催を29日に遅らせただけである。セ・リーグ球団の「できるだけ通常開幕」に押し切られた形だ。

仙台に楽天の本拠地があるパ・リーグに比べてセ・リーグは被災地に本拠地がない、ナイターなど節電を心がける――と理屈はあるそうだが、説得力に欠ける。

報道によれば、セ・リーグ読売巨人軍の渡邉恒雄会長ら球団幹部が強く通常開幕にこだわったという。渡邉会長は政治でも、いまだに、日本の政治の古き伝統である「フィクサー」を演じようとする。ご自分の力が強すぎて、思い込んだら、周りがお見えにならないのか?

コミッショナーというは、本来、調停役もかねた「重要事項を決定できる者」と思っているが、リーダーシップ、ゼロ。日本の「コミッショナー」は、あいかわらず飾りものでしかないようだ。それは、「江川事件」以来なにも変わっていない。
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2011年03月17日

原発「安全神話」の崩壊

「安全神話」の崩壊について、昨日の朝日新聞の第3面に小さな解説が載っている。もっともな論理・背景説明だが、昨日今日知ったことがらばかりではないだろう。それを知っていたのなら、なぜもっと以前にそれを指摘しなかったか。それこそ、「第4の権力」たるメディアの務めだろう。

福島原発については、建設の時にも反論があったし、数年前にも津波の危険性が指摘されたではないか(国会で共産党議員が指摘)。しかも、40年と老朽化で限界だった福島原発をさらに10年のばした時、原発は「安全だ」と主張する東京電力を、新聞もTVメディアも真剣に批判も反論もしなかった。

原子力行政の「闇」に関しては、大新聞を含む巨大メディアの罪も大きいだろう。

(さらに、15日付の英テレグラフ紙電子版によれば、2008年12月に、国際原子力機関(IAEA)の当局者が、日本の安全基準は「時代遅れ」で巨大地震が発生した場合は原発に「深刻な問題」を引き起こすと警告していた。日本政府(当時は、自民党政権)は、すべての原発の安全対策を改善すると約束していたが、それも疑問視されている。リークされた外交文書をもとにウィキリークスが報じているという。

An official from the International Atomic Energy Agency (IAEA) said in December 2008 that safety rules were out of date and strong earthquakes would pose a "serious problem" for nuclear power stations.
The Japanese government pledged to upgrade safety at all of its nuclear plants, but will now face inevitable questions over whether it did enough.
http://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/wikileaks/8384059/Japan-earthquake-Japan-warned-over-nuclear-plants-WikiLeaks-cables-show.html )

かつて、原子力推進関係会社(電力会社を含む)のシンポジウムに行ったことがある。プルーサマルの議論が社会で出たころで、シンポではその必要性・有効性が強く謳われた。しかし、そこには、原発で利益を得る関係者と御用聞き評論家しかおらず、ある女性の「発表」は、「プルーサマルの仕組み」と名打って、その順番が絵で示されたのをポインターで指し示すだけというオソマツなものだった。

原発に関しては、この国には「開かれた議論」というのは存在しない、とその時に直感した。
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2011年03月16日

東電の情報隠し

東電の記者会見が歯にモノの詰まった言い方しかせず、それをとりまく「キシャクラブ」は予定調和的な質問しかせず、新聞もそれを批判することはない(巨大新聞は「キシャクラブ」に属しているので、当たり前だが)。

ここにおいて、海外の新聞・メディアを追ったほうがいいことを確信した。
東電の情報隠しはほぼ犯罪だろう。

(計画停電について、大阪のある記者が、実にぶしつけな口調で「電気つけろよ、この冬に死ねっていうのか」とからんだというのがネットで話題になっている――ニコニコに映像あり。これは読売の記者だという噂がある。その他にも、「キシャクラブ」に属しながらも、枝野官房長官に、間違った発表について「国民に謝罪すべきではないか」と傲慢不遜な詰問を繰りかえす記者がいる。これは、「知る権利」や「国民の代表」というメディアの資格を全く誤解している。この国の大メディアはその程度のレベルなのだろうか。)
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2011年03月15日

地に落ちた

薬局に行くと、すでに物はほとんどなかった。アナウンスが「トイレットペーパー、ティッシュは、おかげさまで完売となりました」と嬉々として言った。目の前で、ある女性が対花粉用マスクを十数箱、全部かごに入れて立ち去った。

福島は立ち直れるか? 東京の電力会社のために使われ、巨大事故でも東電の上層部の――また経産省の――真摯な対応を受けられず、いずれ、心ない者たちの風評被害にあうだろう。悔しい。

つり広告で観た「週刊朝日」の目次、ひどいなあ。あいかわらず「東大・京大合格者特集」してるし。特に、憶測ばかりの記事のように見える。これじゃ、訴訟の多い週刊○○並み。ここまで志が低かったか?(渡辺ズンが出ているので買いたくもないが。)
http://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=12421
• 自転車事故で慰謝料100万円
兵庫県知事夫人が仰天請求!?
• ドラマ「JIN」は制作発表会見もせず
大沢、内野共演で漂う警戒感
• おとり捜査だけじゃなかった!
北海道警の拳銃鑑定書も捏造か
• 判決迫る元鷹巣町長の選挙違反事件
検察の「供述調書至上主義」がつくった冤罪か
「福祉の星」がはまった「罠」

「週刊朝日」とか「AERA」とか、最近、とみにレベルが……。この震災を思いながら見ると、ますますおぞましく感じる。地に落ちた感じ。
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2011年03月14日

「おつむ」と「おてて」

記者会見をする枝野官房長官が、非常に疲れた顔をしている。寝る気にはなかなかならないのだろうし、日本では「不眠不休」が美徳とされるからな。しかし、疲労がたまれば判断を誤ることもあろう。そもそも、スポークス・パーソンを別に置けばいい。専門的な問題は、専門家にブリーフさせればいい。どんな官房長官だって、すべての専門家ではないのだから、ちゃんと答えられない質問というものがある。能率も良くないだろう。

なんでも官房長官がやるという日本の習慣はおかしい。

さて、余震が落ち着くのを待って、パコを風呂に入れる――災害地の人々に比べたら天国であろう。

「おつむテンテン」というと、パコは両手を頭の両脇にやる。以前は、ホッペタを触って、まるでムンクの絵「叫び」のようだったが、いまは頭に届くようになった。体を洗っている時、「おつむ」と言いながら頭を指さし、手を指して「おてて」と言ってみた。何度か繰り返す。パコは、言葉は似てるが違うものを指すのに気づいたようだった。「おつむ」と「おてて」が別ものだということに気づくのはいつだろうか……。

そこからついでに、パコを指さして「パコ」、私を「とうちゃん」と指さしていたら、眼をじっと見開いて驚いたような顔をした。なにか感動的な発見があったという顔にみえる。
モノには別のなまえがあることに気づいた?――親バカは先走るのである。
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2011年03月13日

原子力行政の隠ぺい体質

TVやメディアを追っている方々は、東電が事故に関する重要な情報をすぐに出さないことに気づいたろうか。記者会見は見ていてイライラする。

保安院も、事故について、きわめて歯切れが悪い。そもそも、保安院が経産省の管轄下にあれば、「安全」についての客観的な評価勧告はできないと観るのが普通だろう。経産省は、もちろん原子力行政に関して推進派である。

それは、この国の原子力行政(国、経産省−電力会社)の組織の在り方、電力会社の優遇(日本全国の電力を数社が独占している)、原子力関係者のこれまでの情報非公開・隠ぺい・操作(過去の事故をちょっと調べてみられたい)と、つながっているのだろう。

そして、東京電力が「東北の福島」にあり、過去に何度も安全が問題になってきたのにもかかわらずここまで来てしまったという事実――それを、日本メディア、日本人は、これを機に真剣に考えるだろうか。
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2011年03月11日

巨大地震

その日は一日、パコを保育園に預けていた。

地震で家のものはいくらか散乱したが、家具などは耐震金具などの処置をしていたので大きな乱れはなかった。しかし、パコをすぐ迎えに行くかどうか……。道路が混乱しているかもしれないし、また大きな余震が来るかもしれない。保育士はプロだ。プロと建物の中にいる方が、とりあえずは安全だろう。

キモをつぶし動転し取り乱して、パコを迎えに行くと繰り返す上さんを「落ち着け」と叱りつけ、水・食料・オムツ・ライト等、必要なもの、身の回りの貴重品をリュックに入れながら、TVをつける。しかしもちろん、局は都内の情報については手が回らない様子だ。

余震が落ち着いたので、外に出る。近くの地下鉄の駅の周りには人があふれている。構内から追い出されたのだろう。保育園へ向かおうとタクシーを探すが、空いている車は来ない。同じようにタクシーを求める人たちがあちこちにいる。距離は6,7キロだ。歩けない距離ではない。

あきらめて歩き始めた時、偶然、目の前でタクシーが客を降ろした。それをつかまえる。運転手は、さかんに「地震は怖いですね」を繰り返す。しかし、声には、恐怖でなく、むしろ嬉しさのようなものが響く。客がいくらでもつかまるので喜んでいるのか、と思った。外の悲劇が何物でもないかのように、それまで行った温泉旅行の話をさかんにする。

道路はむしろ空いていた。あちこちの建物から、仕事中の人と思しきグループが出ている。多くが盛んに携帯で話をしている。車は保育園に着き、そこで待ってもらって、パコを乗せて逆方向へ自宅へと向かった。

ところが、帰路では、タクシーは、同じ道をとおらなかった。ある大通りに右にずれて入るはずのところで、そのまま直進した。それは、もっとも有名な幹線道路の一つだった。車にはナビも付いている。タクシーの運転手が知らなければ、モグリであろう。直進した道路は重要なところにつながるらしく渋滞し、しかもトンネルに入ったまま、動かなくなった。

この地震の時に、トンネルに入るのは愚であろう。しかも時間が過ぎ遅くなればなるほど、町は渋滞する。その運転手は、また温泉の話をし、すぐ引退するがそしたら持っている畑を毎日耕すなどと話している。その時、この運転手に、真剣さや善意、同情という観念が全く欠けていることを確信した。名前を覚えているし、レシートにGPS番号も載っている。時間があれば抗議してやろう。

帰宅後、近所にペットボトルを買いに行くが、スーパーには残っていなかった。近所の小さなコンビニでかろうじて水2本とウーロン茶2本を手に入れた。その夜は、余震を感じながら、家の中の整理と耐震の補強に追われた。
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2011年03月09日

国益のために動けるか

今回の外相問題について、朝日新聞にアメリカの教授の意見が載っている。非常に理路整然、説得的で、この件について考えていることをみごとに言葉にしてくれている文章だ。

かつて、ニュート・ゲングリッチは与党民主党政権の似たような問題を細かに騒ぎたて、政策決定を遅らせた。そのことで多くの国民から非難を浴びたというのだ。国益を見失ってはいけないと。

国家についての重要な問題が山積しているときには、形式的な手続きばかりではなく、まず何が優先されるべきかの判断こそ決定的に重要であろう。その視点を見失わなかったかの政治家・国民と、わが国民。
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2011年03月08日

思い立ったらまっすぐのアメリカ人

TVでABC Newsを観ていたら、アメリカの映画俳優ベン・アフリックがアフリカ援助をしているというニュース。ある貧困国の人たちに学校を造るという。

ベン・アフリックは『グッド・ウィル・ハンティング』にマット・デイモンと共演した役者。デイモンと比べても、演じる力量としてはかなり水が開いてしまっていて、好きな役者ではないが、「good cause」に真剣になるのは悪いことではない。

ベン・アフリックがインタビューされているのを聞くと、「思い立ったらまっすぐ」というアメリカ人気質そのままのようだが、行動力という点では、政治意識の低い日本の役者よりははるかに立派だと思う。
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2011年03月06日

外相問題

この国の政治家は政争に明け暮れている。政策でなく。しかも、岡田外相の献金問題(在日の方から25万円!)を受けて、野党は鬼の首を取ったように……。なさけないなあ。この国は。

(ちなみに、いわゆる“フロント企業”からの献金問題は自民党も巻き込むので、野党は口にも出さない、という噂である。もしそうだとしたら、自民党は、彼らの言い分にもかかわらず、「正しさ」や「正義」で動いているのではないことになる。)

もうしばらく前から、「辞任だ」、「解散だ」と主張する国民の一部は、それが政治の中心問題だと思っているのだろうか。予算、政策がどれほど急務を要するか判っているのだろうか? どうも、こうした人たちは、形式や手続きがなにより大事だと考えているのだろうか。融通が利かない役所のように。
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2011年03月04日

ツイッター=自己暴露癖?

上杉隆氏とか常岡浩介氏とか、著名な作家やジャーナリストのツイッターを、ネットでよく読む。「つぶやき」は容易に他人のツイッターにつながり、フォロアーが多くなれば、彼らからの返事も多くなる。

しかし、「つぶやき」の行間が満足に読めない人、独善的な人、礼儀の基本も知らない人たちからの返事ツートによく応えるなあと思う。常岡氏なんてよくやると感心する。それだけ知的に誠実な方ということなんだろうけど。私自身のブログでは、そんな人に対応できなくなって、コメントをとっくの昔に閉めてしまった。顔が見えないコミュニケーションは、ものすごく疲れるので。

ツイッターに、「これから誰それに会う仕事がある」とか書く人もいる。そんなことわざわざ書く意味あるのかねえ? 会う相手はもちろん了解してるし、なんか吹聴めいて……。それだけにととまらず、喰ったものとか、風呂に入ろうとか、わざわざ何でも書く人もいる。自分のプライベートな生活を全部報告したいのか。

鳥越俊太郎氏のツイッターを見てたら、ジムで運動したことを細かに報告している。ジムでトレーニングすることなんて、誰かに言うことでもなかろう。自慢? まあ、鳥越氏は大病をなさったからファンを安心させたいということなのだろうか?それとも、自分を鼓舞するため?なら別の方法もあろうに。

ツイッター=「つぶやき」の増加とともに、自己暴露癖や自己顕示欲も増殖しているな。これも、ツイッターが匿名だから日本人はこぞってやるのだろうと思う。ネットの書き込みに限らず、日本人は匿名だと異常に発言力を発揮する。
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